株式会社SynecOは2025年12月5日、独立行政法人国際協力機構(JICA)と、開発途上国での生態系の回復・拡張と持続可能な食料生産に関する業務連携・協力の覚書を締結しました。覚書には、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所と一般社団法人シネコカルチャーも共同署名しています。
SynecOは、人間活動と自然の共存をめざし、生物多様性を高めながら作物を育てる新しい農法「Synecoculture(シネコカルチャー)」を各国で展開しています。JICAとは2024年度から協力し、2025年度にはセネガルとカメルーンの2カ国で実証事業を開始しました。セネガルでは乾燥と単一作物栽培で劣化した土地に多種の種子を混ぜてまくことで、水循環と生態系機能を回復させつつ農業生産性の向上を図っています。カメルーンではカカオ農園の下層植生に有用植物を導入し、農家の収入向上と持続可能なカカオ生産の両立をめざしています。
2025年8月には、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のサイドイベントをJICAと共催し、「自然再興」や「土地劣化中立」の達成に向けた拡張生態系アプローチの可能性を議論しました。今回の覚書は、こうした実績を基に、開発途上国が抱える「農業振興と環境保全の両立」という中長期課題に、官民連携で取り組む枠組みを明確化したものです。
今後は、JICAの国際協力ネットワークとSynecOらの技術・知見を組み合わせ、アフリカをはじめとする地域でSynecocultureの適用事例を増やせるかが焦点になります。実証結果の定量的な評価と制度面の整備が進めば、ネイチャーポジティブ(自然再興)型農業として他国への展開が加速する可能性があります。
【関連情報:企業情報】
株式会社SynecO 公式サイト https://www.syneco.inc/
source: PR TIMES
